コラム:現代の「ドレスコード」とは? ポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.18

ドレスコードは日本語では「服装規程」と呼ばれ、TPOにふさわしい装いのガイドラインやルールを指す。公衆では服を着用することなど法律やモラルで定められるもの、宗教で勧められた服装、行事を含めた文化的な理由で着るもの、職場や学校といった機関が設定する制服、年齢や性別などコミュニティー内で暗黙の了解で決められるものまで、さまざまなレベルで存在する。

行事で定められるドレスコードには、例えば結婚式でドレスを着る場合、花嫁のドレスと同じ色は避けて主役より目立つことを控え、露出を抑えたアイテムを選ぶことなどが挙げられる。成人式や卒業式でも、振袖やスーツが晴れの日にふさわしい装いとされている。近年では、ジェンダーによって男性はスーツ、女性は華やかなものを着用するべきだという固定観念に挑戦する装いも見られるようになっている。

職場では、スーツがビジネスの場におけるドレスコードとなっており、男性はネクタイやジャケットでカジュアルさを調整する。明治維新をきっかけに、洋風の生活様式が取り入れられた際に男性社会に“近代的”装いとして普及したスーツだが、日本の高温多湿な気候や地球温暖化による温度上昇によって限界を感じるようになり、「男性はスーツ」という価値観も見直されつつある。石川優実が提唱した「#KuToo」は、女性に対する職場の服装規程で、ヒールのあるパンプスを履くことの強制や、高さまで指定する風習に意義を唱えた。

イスラム教徒の女性は頭部を覆うスカーフであるヒジャブを巻くなど、宗教的観点からもドレスコードは存在する。またイスラム圏では、宗教的施設を観光したり、海水浴場に行ったりする場合は、所属する宗教に関わらず女性は露出を控えるルールを設ける空間もある。ただ近年は、“イスラム・フォビア”にも見られるように、イスラム教に対するヘイトが集まっており、ヒジャブを“抑圧の象徴”とみなす宗教的偏見がある。2016年にはフランスで、イスラム教徒の女性が着用する肌を覆う水着“ブルキニ(burkini)”の着用を禁止する事態にも発展した。

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