コレクション・リポート:「シュガーヒル」が東コレで初のショー 大舞台でも気負わないリアルクローズ

林陸也デザイナーが手掛ける「シュガーヒル(SUGARHILL)」は19日、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」で2022-23年秋冬コレクションをショー形式で披露した。同ブランドがショーを行うのは初めてで、ファッションコンペ「東京ファッションアワード 2022(TOKYO FASHION AWARD 2022)」の受賞で実現した。
 
林デザイナーは1994年生まれ。文化学園大学やここのがっこう、ニューヨークファッション工科大学(FIT)を経て、武蔵野美術大学在学中の2016年に「シュガーヒル」を設立した。現在、ビームスやヌビアンなど約25アカウントで扱われている。

会場は、東コレのメイン会場である渋谷ヒカリエのイベントスペース。中央にバンドセットを置き、その周りを椅子で囲んで円型のランウエイを作った。「来場した全員が同じ目線で楽しめるショーにしたくて、ステージではなく平場にした」と林デザイナーは語る。日本のロックバンド、踊ってばかりの国が登場すると、ギター&ヴォーカルの下津光史のやさしい歌声と、繊細な演奏でショーが始まった。

ファーストルックは、ブランド定番のデニムジャケットとパンツのセットアップ。リジットの生地とジャストなサイズ感、タックなどのディテールが上品な雰囲気だ。その後もMA-1やトレンチコート、ウエスタンシャツ、つなぎなど、ブランドの強みであるワークとミリタリーを軸としたリアルクローズを打ち出す。フリンジが目を引くムートンコートや、麻ひもが垂れたダッフルコートは、実は過去シーズンのキーアイテム。「半年だけで終わらず、ずっと着られる服を目指してクリエイションと向き合っている。ショーでもそのスタンスを示したかった」。英国のレザーブランド「ショット(SCHOTT)」のライダースジャケットにはフリンジを付け、コレクションピースとして披露した。

“日本発のブランド”だと発信するため、モデルはアジア人だけに絞った。「多様性がないと突っ込まれるかもしれないけど、僕らのアイデンティティを強みにしたかった。初めてのショーだからこそ、消費されるのではなく、ブランドをしっかりプロモートするものになったらうれしい」。

ルックは @wwd_jp プロフィールのリンクから

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