コレクション・リポート: 過去2シーズンは、ファンタジー映画のような映像作品でオートクチュールを披露してきた「ディオール(DIOR)」ですが、6月中旬にギリシャ・アテネで開催した22年クルーズ・コレクションに続き、オートクチュールも観客入りのリアルショーを再開させました。会場は、かの有名な「考える人」が展示されているロダン美術館。中庭に建てられた特設テントを入ると、壁全面がシルク刺しゅうのアートで囲まれた空間「シルクの部屋(Chambre de Soie)」が広がります。こちらはアーティストのエヴァ・ジョスパン(Eva Jospin)が描いた森のドローイングをベースに、インドの刺しゅう工房と工芸学校の職人たちが数カ月をかけて手作業で作り上げたもの。なんと150もの異なるテクニックが使われているそうで、長さは40m、大きさは350平方メートルに及びます。その背景には、クラフツマンシップを称え、未来に継承していきたいというマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターの強い思いがあり、その視覚や触覚を刺激する空間からコレクションへの期待も高まります。

ショーは、マルク・ボアン(Marc Bohan)が手掛けていた1963年に発表されたコレクションから着想を得たというツイードのトータルルックからスタート。質感豊かなツイードは今季のキー素材で、曲線を描くように異なる色調をシームレスにつないだり、部分ごとに切り替えたり。装飾でも、さまざまな色のフェザーを組み合わせてツイードのようなミックスカラーを再現しています。トレーンを引く幻想的なドレスに使われたくすみがかった美しい色使いは、背景のアートから飛び出してきたよう。今季はそんな色と質感、そして多彩なプリーツや編みなどの職人技が際立つコレクションに仕上がっていました。

全ルックは @wwd_jp のプロフィールのリンクから

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