【俳優の朗読】サイレントヒル【第1章 霧】【5-1】

5皇帝にいた犬を始末するのに早くも弾丸 を4発ついやしてしまったがハリーはなん とか無事にミドウッチ小学校へたどり着く ことができ た玄関扉を押し分けおっかなびっくりで ロビーに侵入するすかさず右手で拳銃を 構え左手の懐中電灯で闇を照らした校内に も犬がたむろしてい たらと恐れたのだが耳を済ましても物音は 聞こえてこず今のところは化け物の気配は 感じられなかっ た建物の中までは鳥は入ってこないだろう し犬も重い玄関扉を突破できなかったよう だ シェリル娘の名を叫ぶ声が闇に虚しく 吸い込まれる反響するこだまばかりが ハリーの呼びかけに答え たどこにいるんだ シリルハリーは油断なく銃を構えながら 慎重に校内を巡った1階から誓戻って2階 と屋上へ教室職員室理科室音楽室保健室 図書室科学室中庭ロッカールームトイレの 個室まで もきっとどこかにいるはずだ悪人から逃れ て隠れて いるそれとも捕まえられてしまい猿グを かまされて声を出せずにいるのだろうか 誘拐犯の汚らわしい手が娘の口を塞いで しまっているのだとしたらもうすでに 頭から振り払おうとしても次々と湧いて くる悪い想像が針を陰鬱にさせた悲の涙が 込み上げてくるだめだしっかりしろ シェリルはまだ元気に決まっているこれ だけ探して見つからないのはま死んでい ない証拠じゃないかもう一度最初からだ 玄関のロビーからやり直すんだ必ず 見落としがある何か手がかりがあるはず だロビーに向かう廊下の途中でハリーは はっとして足を止め た目を奪われた先は来客受付の 室内赤く濡れてい た飛び散った血が受付室の壁やカウンター にねっとりと付着してい たチェック済みの部屋だった前に見た時は もちろんこんな有様ではなかった知らない 間に斬撃が起きたのかハリーは老廃して 受付室に飛び込ん だ血濡れの女の子の死体はなかっ た犠牲者は誰もいない生々しい先決に彩ら れている ばかり最悪の予想が当たらずに住んで ハリーは生きた心地を取り戻した安心して 力が抜けてしまいカウンターに寄りかかっ たそのカウンターの上に放置された 書類学校を訪れた部会者が使命や身分連絡 先要件を記入する容姿にも血のしきが かかってい た違うしぶきではなく文字だ血で書かれた メッセージである印刷された黒いインクに 重なる赤い文字軍に目を凝らした 塗りたくられた血で死のような謎めいた 文章が綴られてい た5次熱い風を生む光届かぬ 地静寂を破り灯される炎目覚める飢えた 獣時の扉を開き餌を 招くシェリルが書いたとは思えない7歳の 子供に書ける内容ではありえないだがそれ でもハリーは教官から伝わってくる著者の 思いにシェリルの気配を感じ取り娘が残し たメッセージだと確信した 理屈を超えた親の信念である理屈を超えた 出来事をシェリルには何度も体験させられ ているのだ からメッセージの紙を掴み文章の一説一説 を凝視してハリーは思考を巡らせ た時の扉で頭に浮かんだのは中庭の隅に ある時計灯だコンクリートの大きな ブロックを石垣のように組み合わせた 四角い土台の上に柱が立てられそれほど 大きなものではないが土台の中に人1人 くらいなら隠れるスペースがありそうに 思えた先ほど調べた時は内部に入る扉が 見当たらず地下からも入れそうになくて 諦めていたの だ再調査すべき場所の筆頭だっ た中庭に移動し改めて時計灯を見上げた ハリーの腕時計では実際の時刻は6時 過ぎしかし時計灯はずっと誤字を刺した ままで止まっていたこれに動力が入って 動き出せば隠された扉が開かれるのだろう か光届かぬ地は地下室を連想させる校舎の 地下には自発電用のボイラーがあった スイッチを切られ沈黙の中に停止していた が熱い風や静寂を破り灯される炎と符合し そうだ駆け足で階段を降りボイラー室の ドアを開けて懐中電灯を向け た金属性のいかつい図体が丸い光の中に 浮かび上がっ たプラスチック製のプレートがついている 制御版のスイッチを押すとランプがり天の 爆発音がし た音は次第に大きくなってガソリンの 燃えさかる強音をボイラーは響かせ たハリーは駆った階段の途中でチャイムが 鳴るのを聞いた時計灯が動き出して誤字を 知らせているのだ果たして扉 は時計灯の土台をするブロックの1つが 外れてい た分厚い塊が横にずれ人間の大人が通れる 高さの出入り口を出現させていた電話 ボックスを一回り大きくした程度の土台だ から奥行きはなく覗き込むと床に四角い穴 が開いてい たはしごで降りるようになって いるためらいは全くなかったすぐさま 潜らせた時に下に到達しそこからまっすぐ に伸びた短い地下道を進むとはしごが 埋め込まれた縦穴が再び現れ たここ は縦穴を出てハリーは困惑し た元の場所 だ校舎に囲まれた中庭 と混ざった暗闇が上空にある振り返ってみ た時計灯もそっくり同じだっ たデザインも材質も変わるところが ないミドイッチ小学校の裏側に寸分たぬ もう1つの校舎が立てられてい ただが何のためだ地下道でしか直接生き できないキャンパスに何の意味がある そんなのは不合だし予算の無駄遣いでしか ない物理的にも不可能だ地下道の距離は ほんの数ヤードで学校の裏側まで届く長さ ではなかっ たポケットラジオが騒ぎ始めたホワイト ノイズが気球を告げるハリーはぎくりとし て懐中伝灯の明りを世話しなくあちこちに 向け た ペタリペタリ 中庭に敷き詰められたタルを裸で 踏みしめる 音闇よりも濃い影が近づいて くるのっそりと姿を表した小柄なそいつは 路地の奥で針を襲ったのと同じやつだっ た人間の姿に似て人間に荒ざるもの直立2 速歩行する化け物である あ

【前回】

【次回】

シェリルの導きによってたどり着いた学校。

時計塔を潜った先に広がる世界に、ハリーは目を奪われる。

ようやく学校に着きました!

ひとまずここでの展開はゲームと同様。

裏世界の口も開き、面白くなってきましたね!!

※例によって今回【5】も分割します。

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SILENT HILL サイレントヒル
作    山下定
イラスト 伊藤暢達

BGM   SILENT HILL ORIGINAL SOUNDTRACK

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朗読
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今後も不定期にですがアップしていきます。

よろしくお願い致します。

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