第四十八回「届く声 届ける声~れろの会の朗読~」

届く声届ける 声こんにちは栗原敬子ですこの番組は農型 市の朗読グループレロの会の声をお届けし ます今回は名作を 読むダザイをさむの作品をお届けいたし ます戦後社用で一躍流行作家となりますが 作失格を残して昭和23年6月13日 多摩川浄水で樹水事祭走します38歳の時 でしたちなみに玉川浄水で遺体が発見され た6月19日この日はダザイおさの誕生日 でもありますこの日を明日に応が営まれて い ますこの中では一度止まっていたこの応答 機なんですが昨年からはまたイベントとし て開催されていますあれからもう76年に なり ます今回お送りする作品は松短編小説 ですダザイおの得意な作品形式に女性独白 体というものがあります女性の1人の セリフで作品が成り立っています 集めた作品創作集女性が昭和17年6月 30日に観光されていますこれからお送り する松はこの女性の最後に収録された作品 ですこの松尾天松子さんバイルスアルバム ツゴイネルワイゼンより3曲を選んで一緒 にお届けいたし ましょう前半の朗読は中谷さん後半は西岡 さんですそれではお楽しみください [音楽] [音楽] 松打 む小鮮のその小さい駅に私は毎日人をお 迎えに参ります とも分からぬ人を迎え に市場で買い物をしてその帰りには必ず駅 に立ち寄って駅の冷たいベンチに腰を 下ろし買い物かごを膝に乗せぼんやり 改札口を見ているの です登り下りの電車がホームに到着する ごとにたくさんの人が電車の特地から 吐き出されどやどや改札口にやってきて 一様に怒っているような顔をしてパスを 出したり切符を手渡したりそれからそくさ と脇目も降らず歩いて私の座っている ベンチの前を通り駅前の広場に出てそうし て思い思いの方向に散って いく私はぼんやり座っています誰か1人 笑って私に声をかけるおお怖いああ 困る胸がドキドキ する考えただけでも背中に冷水をかけられ たようにぞっとして息が 詰まるけれども私はやっぱり誰かを待って いるの です一体私はここに来て誰を待っているの でしょうどんな人をいいえ私の待っている ものは人間でないかもしれない私は人間を 嫌いですいいえ怖いの です人と顔を合わせてお代わりありません か寒くなりましたなどと言いたくもない 挨拶をいい加減に言っているとなんだか 自分ほどの嘘つきが世界中にいないような 苦しい気持ちになって死にたくなり ますそうしてまた相手の人もむやみに私を 警戒して当たらずさらずのお世辞やら もったいぶった嘘の感想などを述べて私は それを聞いて相手の人のケチな用人深さが 悲しくいよいよ世の中が嫌で嫌でたまら なくなり ます世の中の人というものはお互いこった 挨拶をして用人してそうしてお互いに疲れ て一生を送るものなのでしょう か私は人に会うのが嫌なの ですだから私はよのことでもない限り私の 方からおのところへ遊びに行くことなどは いたしませんでし た家にいて母と2人きりで黙って縫い物を していると1番楽な気持ちでし たけれどもいよいよ大戦争が始まって周囲 がひどく緊張してまりましてからは私だけ が家で毎日ぼんやりしているのが大変悪い ことのようがな気がしてきてなんだか不安 でちっとも落ち着かなくなりまし た身にして働いて直接にお役に立ちたい 気持ちなの です私は私の今までの生活に自信を失って しまったのです [音楽] 家に黙って座っていられない思いでけれど も外に出てみたところで私には行くところ がどこにもありませ ん買い物をしてその帰りには駅に立ち寄っ てぼんやり駅の冷たいベンチに腰をかけて いるの ですどなたかひょいっと現れたらという 期待 とあ現れたら困るどうしようという恐怖と でも現れた時には仕方がないその人に私の 命を差し上げよう 私の運がその時に決まってしまうのだと いうような諦めに似た覚悟とその他様々の 消しからぬ空想が異様に絡み合って胸が いっぱいになり窒息するほど苦しくなり ます生きているのか死んでいるのか分から ぬような白地の夢を見ているようななんだ か頼りない気持ちになって駅前の人の往来 のあ様も望遠鏡を逆に覗いたみたいに 小さく遠く思われて世界が真となって しまうの ですああ 私は一体何を待っているの でしょうひょっとしたら私は大変みだらな 女なのかもしれ ない大戦争が始まってなんだか不安で身に して働いてお役に立ちたいというのは嘘で 本当はそんな立派そうな口実を設けて自身 の軽はずみな空想を実現しよう と何かしら 良い機会を狙っているのかもしれ ないここにこうして座ってぼんやりした顔 をしているけれども胸の中で はフラチな計画がちろちろ燃えているよう な気も する 一体私は誰を待っているのだろう はっきりした形のものは何もないただ モヤモヤしているけれども私は待って いる大戦争が始まってからは毎日毎日お 買い物の帰りには駅に立ち寄りこの冷たい ベチに腰をかけて待って いる誰か1人笑って私に声をかける おお怖いあ 困る私の待っているのはあなたで ないそれでは一体私は誰を待っているの だろう旦那 様 違う恋人違い ますお 友達嫌 だお金 まさか亡霊お嫌嫌 だもっとやかなパっと 明るい素晴らしいものなんだかわからない 例えば春のようなものいや 違う 青葉5 月麦畑を流れる 清水やっぱり違う ああけれども私は待っているのです胸を 踊らせて待っているの だ目の前をぞろぞろ人が通って いくあれでもないこれでも ない私は買い物かごを抱えて細かく震え ながら一心に一心に待っているのだ 私を忘れないでください ませ毎日 毎日駅へお迎えに行っては虚しく家へ帰っ てくる二十歳の娘を笑わず にどうか覚えておいてください ませその小さな駅の名 はわざとお教え申しません [音楽] お教えせずともあなた はいつ か私を [音楽] 見かけるダサお寒さく待ついかがでした でしょうか音楽は天馬あつ子さんの バイオリンすごいネルアゼンのアルバム から愛花グリーンスリーブ フレの小をお送りいたしまし た届く声届ける声ご案内は栗原子でした またお会いいたしましょう

2024年6月17日放送
案内人:栗原景子氏(かたりね代表)
朗読者:中谷兌子氏・西岡民子氏

毎週月曜日 11:30-11:45
FMちょっくらじお(86.1MHz)にて放送中。
リスラジ( http://listenradio.jp/ ) で全国のラジオ局から選んで頂ければインターネットの同時放送をお聴き頂けます。

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